都市対抗野球は地区予選、真っ最中である。兵庫県予選の出場チームは6チーム。6チーム中4チームがクラブチームや専門学校だ。昨今の不況で県下の真っ当な社会人チームは、三菱重工神戸と新日鉄広畑だけになってしまった。大阪の「NOMOベースボールクラブ」をはじめ、最近はクラブチームが数多く誕生している。

神戸レールスターズ。読んで字のごとく兵庫県下のJRに勤める社員らで構成されたチームである。都市対抗予選には今年からの出場だ。毎日新聞のチーム紹介を見ていて、懐かしい名前に遭遇した。「16 田中智士 三木東高校」。1学年上のエースである。私たちは弱小チームだったが、先輩たちの代は結構強かった。選抜出場前の神港学園との試合で
も、彼の好投で1対0。負けはしたが、私立強豪校相手にも臆する事なく攻めの投球をしていた彼が、印象に残っている。彼の身長は、公称160cm。多分158cmぐらいだったと思う。キャッチャーも160cmなかった。「ちびっ子バッテリー」として新聞でも大きく取り上げられた。

最後の夏は初戦に勝ち、優勝候補にも挙げられていた神戸国際付属高と対戦した。結果は1対0の惜敗。先輩たちは本気で勝つ気だった。もちろん負ける気で勝負に挑むチームはないと思うが、あの試合だけは目付きが違っていた。試合前から声の掛けづらい雰囲気が漂っていた。

そんな試合が、彼をもう一度真剣勝負に駆り立てたのであろうか。私の知りうる限り、2学年年上、年下を通じて硬式野球を続けている者は皆無だった。だから、新聞で彼の名前を見つけたときは、嬉しかった。元気が出た。

神戸レールスターズは初戦で強豪、三菱重工神戸と対戦し、18対0のコールド負けを喫した。敗者復活でもコールド負け。この試合で彼が投げる事はなかった。ベンチに入っていたかも分からない。チーム全員がサラリーマンである。平日の試合で全員が揃うことは不可能だろう。

野球の好きな者が野球を続けることが困難な時代である。彼には燃え尽きるまで頑張ってほしいと、心から思う。

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